静音化とは
車を走らせていると、色々な音が聞こえて来ると思います。
想像して下さい。
雨が降れば、車のルーフに雨が当たり、金属を弾いたような音がします。
アクセルを踏み込めば、エンジン音がします。ちょっとほこりっぽい道を走れば、タイヤハウスに小石がぶつかる音がします。
タイヤと路面の間の空気がタイヤの溝を通る時のロードノイズなんかもしてきます。
そういったあらゆる音を小さくして、車内を快適にする。それが静音化(せいおんか)です。
その時に使った部材、検討した部材も紹介!
今回の記事は、車好きの中でもオーディオ好き、ドライブ好き、何でも知りたい変態さん向きです
スポーツ走行好きには逆行の内容です(でも私はスポーツ走行も好きよ)
ちょっとだけ車を静かにしたい、静かな車を買わなくても静かにできるの?と思う人は読んでみて下さい!
なぜ静音化するのか?
まず、同乗者の声がより聞こえるようになります。
そして、長距離運転でのストレスが軽減されます。
カーオーディオをカスタムした効果がよりはっきりと聞き取れるようになります。
静音化のメリットとは
ほどんど上に書きましたが、車が静かになることです。
ルーフを静音化すれば、雨の音も減らすことが出来て取っても快適に移動できるようになります。
風切り音が減れば、耳障りの悪い音が聞こえなくなります。
静かな車に乗るには高級車なんてことはなく、同じような処理をしてあげられるところはしてあげれば良いということですね
静音化のデメリットとは
もちろん良いことばっかりではありません。
重たい素材を使うと、車重が重くなります。
車重が重くなる結果、燃費が悪化します。(追加した重さ次第)
車重が重くなる結果、運動性能が悪化します。(追加した重さ次第)

ある程度、費用対効果が良いところでやめておく事をオススメします
ある意味、静音沼です
静音化で使える材料
オトナシート
ミズコも多用した、アスファルト系のシートです。
静音化の制振材になります。
30センチ×40センチの長方形で5枚入りです。
ドライヤーやヒートガン等で加熱しながら使うと、曲面にも簡単に貼ることができます。
メリットは安いことです!
そして、制振効果が非常に高いことです!本当にすごい!
デメリットは重い事です!5枚で約1.7kgあります。
そして、最初だけアスファルトの匂いがします。いわゆる道路工事現場の匂いです。
天井面や上面に使うことは推奨されていませんが、タイヤハウスに貼っても、ルーフに貼っても、数年使い倒しましたが剥がれることはありませんでした。
ちなみにカー用品ではありませんが、カー用品としても使われているというような部類の商品です。
シンサレート
シンサレートという、静音化の断熱材・吸音材になります。
車の吸音材や布団やダウンジャケットのような断熱材として衣料分野でも使われています。
メリットは軽いこと、また吸音材としてめちゃくちゃ優れていることです。
吸音材というのは、音そのものを出さないようにというよりは、出てしまった音を吸収して、静粛性を保つものです。
とある音が出て、あらゆるものに反射して、ノイズとなる
その音を、反射せずに吸収して静かにするものです。
そして、断熱材なので、冬場に出かけて、車を停めてから車内の温度が下がるまで時間がかかるので、戻ってきた時に温かいままな時間が長くなります。ヒーター・クーラーの効率が良くなります。
デメリットは特に無いですが、素材そのものなので、テープや粘着面などが無いので、自分で別の手段で固定するなりしないと行けないくらいです。
グラスウール
吸音・遮音・そして断熱の効果があるグラスウールです。
メリットは、熱にめちゃくちゃ強いことです。
エンジンルームでも問題なく使えて、マフラーの熱やエンジンの熱を断熱したり、音を遮ったりして使います。
デメリットは、ハサミなどで切った時の、ふわふわ出てくる綿がやっかいです。
手に触ればチクチクとしますし、施工時はマスク着用した方が良いです。
なので、内張りの内側や、エンジンルームなんかでは使えますが、室内のむき出しで使うところには使えません。
Dモール
こちらは、もともとカー用品として売られていたり、ホームDIY用品として売られていたりしますが、Dモールです。
ゴムでアルファベットのDの形の断面をしている為、Dモールなんて呼ばれています。
エンジンルームの隙間や、トランクの隙間をこのモールで埋めてしまうと、風切り音が低減します。
メリットは両面テープ付きなので、施工が超簡単なこと。
デメリットは、はみ出すと見た目が悪くなるくらいですかね。
また、ドアやトランク・ボンネットの隙間を埋めるので若干閉める為の力が余計に必要になったりします。
実際にGD3フィットに静音化した時の写真を紹介
ルーフエリア
まずはルーフライニングを取り外して、むき出しにして、オトナシートを短冊状に切ったものを格子状に貼っていきます。
ルーフを軽く叩きながら、金属のボヨンボヨンという音が出ている部分に張っていき、コンコンという音になるように貼っていきます。
運転席助手席側を重点的に行い、トランク付近になるにつれて、格子を大きくするイメージで施工しました。
雨が降っても、天井は振動しない強固な天井が出来ました。
そこに更に、シンサレートをルーフライニングと天井の間に挟み込んでいきます。
養生テープで固定してルーフライニングを載せて、元通りに戻します。
ルーフ叩いて貰って自慢していた謎天井が出来上がりました。
ぶっちゃけ見た目は何も変わらないので、分かる人にしか分からないというド変態チューンです。
制振・吸音・断熱天井なので、真夏の炎天下でルーフから熱が来ることもなければ、大雨でも天井がうるさくなることもなくなりました。
あっという間に元通り?
見た目は何も変わりませんが、静音化天井の完成です。
ボンネット・エンジンルームエリア
エンジンルームも静音化します。
使う素材は、アルミシート付きグラスウールです。
ボンネットの裏のもともと付いている遮音剤を外します。
アルミシート付きグラスウールを適当な大きさに切って貼り付けます。
※チクチク注意。マスク、手袋をして行いましょう。
純正遮音材を戻して完成です。
プラスチック製のエンジンカバーの裏にもアルミシート付きグラスウールを貼り付けました。
これで、エンジンルームの音を軽減。
主にインジェクタの作動音やタペット音を軽減することが出来ました。
これも外見からはなにも変わらないですね。
そして、Dモールでボンネットとの隙間を埋めました。
この隙間を埋めると、走行中の風切り音やエンジンルームからの音が外に出にくくなるので、アイドリングのエンジン音も静かになります。
ドアエリア
ドアの内張りを外します。
内張りビニールを外して、エプトシーラーを掃除します。
エプトシーラーとは、ドア鉄板と内張りビニールの隙間を埋めるための、半固形状のシール剤です。
服につかないように注意です。
オトナシートを貼り付けてドア内張りの穴を塞ぎます。
オーディオの音の改善や、共振音の低減の効果があります。
タイヤハウスエリア
わかりにくいですが、タイヤハウスの内側にオトナシートを貼り付けていきます。
地味な凹凸がたくさんあるので、ヒートガンで温めながら作業しました。
室内側です。
内張りを剥がして、タイヤハウスにグラスウールシート貼り付け、空いている空間はシンサレートを入れ込んで埋めました。
砂利道や雨の時に、タイヤハウス内に小石や水が当たる音が聞こえるかと思いますが、その音が大幅に軽減されました。
その他、内装鉄板の内側エリア
リヤドアも内張りをを剥がして、オトナシートを貼って穴という穴を埋めていくきます。
内張りを固定するクリップ穴は埋めないように注意です。
室内ももちろんやっていきます。
とりあえず、全てのシートを外します。
純正の吸音材も剥がして、その下に更に制振でオトナシートを響く部分に設置。シンサレートも重ねて吸音性能もアップ。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は比較的安価な素材を使って、静音化しているので、総額そこまでの費用はかからずに静音化できました。
なお、作業そのものは自分自身で行っているので、作業代の部分はノーカウントです。
この時のフィットのコンセプトは「フィットツアラー」というコンセプトでした。
高速道路をみんなでわいわい言いながら、快適に移動する為の車として作りました。
静音化とは関係ないですが、フリップダウンモニターなんかも付けて、わいのわいの言いながら快適な移動を楽しめるようにしました。
皆さんの車いじりの参考になれば嬉しいです。
予算の都合で使えなかった高級素材たち
レアルシルト制振シート
デッドニング界隈で有名な制振材です。
癖もなく使いやすい、小さくカット済み。
オーディオショップなんかでよく使われています。
レアルシルト・アブソーブ
制振と吸音・遮音が同時に出来るスグレモノです。
謳い文句としては、マイカーが高級車のようにグレードアップします。とのこと。
見た目からして、高級ですがこちらもオーディオショップなんかで使われています。
潤沢な予算があれば、このようなカー用品の専用材料を使えるんですが、当時の自分には無理でした。

参考になれば幸いです。