このクルマの
・魅力
・実用性
・使ってみての実燃費
・買う時の心構えこれらを解説していきます!
GP4フィットハイブリッドRS・6MTってどんなクルマ?
2012年(平成24年)に、2代目フィットのマイナーチェンジが行われました。
そこで、後期型として追加されたモデルが、フィットハイブリッドRSというモデルです。
型式はGP4
排気量は1.5L(1496cc)+ハイブリッドモータ
変速機は6速MT又はCVT
FF(フロントエンジン・フロントドライブ)車です。
前期型には存在せず、後期型には存在する、そんなモデルです。
前期型までのフィットハイブリッドは1.3LのCVTモデルのみ(型式・GP1)でした。
GP1にはMTモデルはありません。
マイナーチェンジの時に、「ハイブリッド・RS」グレードのGP4が追加され、「CVT」モデルの他に「6MT」モデルがラインナップされました。
車両本体価格は196万円でした。
2013年8月に生産終了しており、新車で購入することは出来ません。
フィットハイブリッドRS・6MTとは、2代目フィットの後期型のみに存在する、ハイブリッド車なのにMT車というちょっと特性が面白いクルマになります。
GP4のハイブリッドシステム
フィットハイブリッドRSはエンジン+モーターで走行します。
IMAというハイブリッドシステムです。
フィットハイブリッドRSはエンジンとモーターが同じ軸上に存在します。
システムの特徴
- エンジンとモーターが同軸上にあるため、ガソリン車に乗り慣れている人が乗っても自然な感覚で扱いやすい
- モーターのみの走行が出来ない。同軸上にあるため常に走行中はエンジンが回転する
- このシステムのおかげでマニュアルトランスミッション車を作ることが出来る
- セルモーターが無く、ハイブリッドモーターでエンジン始動するため始動が静か
eHEVは別物です
現在のホンダのeHEVとは全く異なるシステムです
eHEVは基本的にはほとんど全ての状況でモータで走行し、高速道路などモーターが苦手でエンジンが得意な領域になるとエンジン直結クラッチが結合し、エンジン走行を可能とします
システムの構造上、MT車を作ることは出来ないシステムです
フィットハイブリッドRS・6MTは実用に耐えうるクルマ
現状新車でハイブリッド×MTの組み合わせは存在しません。
フィットハイブリッドRS・6MTは、ベースはもちろんフィットなので実用性は抜群です。
ドアは4枚あるし、乗車定員は5名というものすごく普通な事なのですが、ハイブリッド×MTだと珍しい事なのです。
フィットハイブリッドRS・6MT以外のハイブリッド×MTのクルマたち
初代インサイト・5MT
インサイトというと、4ドアのハイブリッド専用車を思い浮かべる人が多いと思いますが、初代のインサイトは2ドアのクーペでした。
空力強化の為に、リヤタイヤが覆われており、車重が820kgと超軽量。カタログ燃費はなんと35.0km/リットル。
しかし乗車定員が2名であり、実用性はイマイチ。
クーペタイプが欲しい人は、燃費よりもパワーを求める傾向があるので、流通台数も少ないです。
CR−Z・6MT
CR−Zの6MTもハイブリッド×MT車になります。
CR−Zは「シーアールゼィー」と発音します。
こちらも2ドアクーペです。
めちゃ狭いながらリアシートが付いていて、乗車定員は4名です。
フィットハイブリッドRS・6MTと同様のハイブリッドシステムとなっています。
ハイブリッド×MTでドアが4枚なのはフィットハイブリッドRS・6MTだけです。
フィットハイブリッドRSの走りの愉しさ
1.5Lエンジン×ハイブリッドモーターの実力
フィットハイブリッドRSは2000回転程度の低回転領域は2000ccクラスと同程度のトルクを発生。
高回転域では1500ccクラスの伸びやかな加速をします。
エンジン・モーターのパワー
動力発生源 | 最高出力 | 最大トルク |
エンジン | 84kW[114PS]/6,000rpm | 144N・m[14.7kgf・m]/4,800rpm |
モーター | 10kW[14PS]/1,500rpm | 78N・m[8.0kgf・m]/1,000rpm |
※表はスライド出来ます
モーターは低速回転で出力が上がります!
走行状況に応じて知能的にバルブの開度を切り替えるiVTECエンジン。
このエンジンは最高出力回転が6000回転、最大トルクが4800回転となっています。
組み合わさるモーターは最高出力1500回転、最大トルクが1000回転となっています。
賛否が分かれる部分ではあります!
私は普段使いの多人数乗車からちょっとスポーティに1人で走りたい時までカバーできるこの特性は大好きです!
ポジティブな意見 | ネガティブな意見 |
モーターアシストがあるため低速が非常に豊か、発進加速もパワフルでエンストしにくい。クラス以上の加速感。 | モーターアシストがあるため、何速でも走れてしまう。自分で最適なギヤを選択して走らせる「操る愉しみ」が薄い。 |
ハイブリッド+モーターは多人数乗車から、ちょっとしたドライブにも使える。ありとあやゆる場面に対応できてまさに「フィット」 | 何がしたいのかわからない。燃費重視なら1.3LのCVTがあるし、走る愉しみならガソリンRSもある。燃費と走りどちら? |
※表はスライド出来ます
私も納車直後は、「何速で走ってやれば最も良いんだ!?」の感覚はありました
ハイブリッドモーターシステムを「使いこなす愉しみ」があるので、より深いクルマへの理解が必要で、それはそれで好きです!
GP4フィットハイブリッドRSは3モードスイッチが付いていて遊べるクルマ
クルマの性格を変える、『3モードスイッチ』が付いていて、エンジン・エアコン・IMAバッテリアシストなどを協調制御する機能があります。
IMAとはフィットハイブリッドRSに採用されている、ハイブリッドシステムの名称です。
この3モードスイッチがめちゃくちゃ面白く遊べます。
3つのモードの具体的な使うシーンをここから解説します。
ECONモード
普段使いのモードです。
燃費重視のセッティングになり、アクセル開度に対して、スロットル開度はそこまで開かないようになります。
また、エアコン、IMAバッテリアシストも燃費重視となります。
こちらのモードでも十分なので90%以上このモードで走る事になります。
人によっては「かったるい」と感じてしまうかもしれません
普段から「ECON」にするか「ノーマル」にするかは好みです
アクセルペダルのスロットル開閉に対して、実際のスロットル開閉のレスポンスはかなり緩やかなモードになります。
3つのモードでは最もクルマが重く感じるモードとなります。
NORMALモード
こちらも普段使いのモードになりますが、ECONモードよりもパワフルになります。
私は、4名乗車時や5名乗車時等重たい時や、上り坂が続く山道等でちょっとECONモードがかったるい時に使用します。
モード名の通り、「ノーマル」になります。
多人数乗車時等は、ノーマルのほうが快適性が上がるので楽に走れます
エアコンの制御も、燃費性能よりも快適性が重視されるので、真夏でアイドリングストップ中に暑く感じる時などには、このモードを使用するのが良いでしょう。
SPORTモード
名前の通り、スポーツ走行に適したモードになります。
IMAモーターアシストも加速性能最優先、エンジン制御もスロットルの開閉に対して、リニアに動きます。
また、メーターカラーが赤固定になり、スポーツ走行に集中出来るようになります。
このモードは1.5Lのコンパクトカーである事を忘れる加速感が味わえます。
ハイブリッドを燃費のためでは無く、ターボやスーパーチャージャーの代わりに全力で加速に使うとこうなるのかという楽しさが味わえます。
おもちゃとして遊びたい時に、このモードを使用します。
ただし、加速感を味わいたいときにはノーマルモードでも十分に楽しいですよ。
クルマがドライバーを育てる、ティーチング機能
GP4フィットハイブリッドRSには、クルマがドライバーを育てる機能が搭載されています。
その名も『ティーチング機能』です。
『ノーマルモード』または『イーコンモード』時に、メーターの色でエコかエコじゃないかを教えてくれます。
エコ運転が出来ている時のメーターカラーは『グリーン』
エコ運転が出来ている時には、メーターのカラーが『グリーン』になります。
フィットハイブリッドRS・6MTで、適切なギヤ選択、適切なアクセルワークが出来ていると、グリーン表示となります。
エコ運転が出来ていない時のメーターカラーは『ブルー』
エコ運転では無い操作がされたときには、メーターカラーが『ブルー』に変化します。
ややエコではない運転では『淡いブルー』になりかなりエコではない運転では『濃いブルー』になります。
フィットハイブリッドRS・6MTで6速で走るべき所を5速や4速で走っていたり、急加速をしたり、急減速をすると、メーター色がブルーに変化します。
MTの初心者で、何速で走って良いのか分からない時にもシフトインジケーターのような役割すら果たしてくれるので、クルマがドライバーを育ててくれます。
ゲーム感覚でいつの間にかエコ運転になる仕組み
ホンダのエコへの意識です
特に、フィットハイブリッドRS・6MTはガソリン車のフィットに比べて、モーターアシストが付いている為、低速のトルクが非常にフラットな特性なので、何速でも走れてしまいます。
そんな時に適正なギヤが選べているかというのが分かるのは、単純に便利です。
「ブルーグリーン」比較的燃費に良い状態
「グリーン」燃費に良い状態
を表しています
あなたの運転を採点します
運転終了時に、中央のマルチインフォメーションディスプレイに葉っぱの枚数でエンジンかけてからエンジン停止までの間のエコ運転度を採点してくれます。
走行中にも、表示することが可能です。
(どの情報を表示するかはハンドルの操作スイッチで操作可能)
採点されると、点数を取りたくなるもの。
ドライバーが自然にエコ運転したくなるような工夫が『ホンダらしい』ですよね。
どれだけ燃費の良いクルマを作っても、乱暴な運転では燃費は伸びません。
乱暴な運転だという自覚が無くても、もったいない運転をしていた場合、クルマがドライバーを育ててくれます。
燃費もまあまあ良いぞ!フィットハイブリッドRS・6MT!
フィットハイブリッドRSのカタログ燃費
22.2km/L CVT車
これががJC08モードのカタログ燃費です!
CVTの方が燃費は良いですね。
CVTで高速道路を走ったことがある方なら分かるでしょうが、エンジン回転数はかなり低い回転数で走行が可能なのです。
まぁ致し方なしですね。
フィットハイブリッドRS・6MTの実燃費
こちらが、燃費になります!
ミズコの使用環境での実燃費
街乗りで平均16.0km/L程度
遠出すると平均22.0km/L程度
画像の2月21日給油時に7.0km/Lなんていうのが出ていますが、ここのタイミングは追突事故にあい長時間のアイドリングをして、更にクルマ屋に預けていた期間なので、アイドリング時間が異常に長く大量のガソリンを消費したと思われるので異常値です。
「HONDA Total Care」というアプリでの給油記録になります。
ちなみに、関東地方の地方中核都市のでの燃費になります。
いわゆる「満タン法」で計測していますので、ある程度精度の良い数値と思ってもらって大丈夫です。
近場の買い物などでの使用では、20km/Lを超えることは無いですが、遠出をすると20km/Lを超えてくるのでお財布にも優しい、おもちゃグルマです。
GP4フィットハイブリッドRS・6MTの買い方
近所の車屋に行っても買えない率が高いです。
フィットシリーズはとんでもない販売台数を誇っています。
通常、フィットを買おうと思って、なかなか見つけるのが難しい事はありません。
だが、しかしGP4フィットハイブリッドRS・6MTはそうは簡単には買えません。
なぜならば、GP4フィットハイブリッドRS・6MTはフィットの中でも特殊性が高い変態グルマだからです。
数字で考えるGP4フィットハイブリッドRS・6MTの入手難易度
中古車情報サイト「グーネット」でGP4フィットハイブリッドRS・6MTを検索してみましょう。
全国でフィット・フィットハイブリッドを検索した時の台数
地域を絞らずに、日本全国でフィット・フィットハイブリッドを検索すると、約7000台以上がヒットします。
全国でGP4フィットハイブリッドRS・6MTを検索した場合の台数
車種を「フィットハイブリッド」に設定し、ミッションを「MT」で絞り込み。
2022年4月に検索をかけると、日本全国で21台がヒットします。
普通に探すと全然見つからない!
「グーネット」の中の台数だけでもフィット全体からGP4フィットハイブリッドRS・6MTが0.3%程度。
フィットハイブリッドの中だけで見てもMTのフィットの確率は1%程度です。
街中どこでも見かける事が出来るフィットですが、GP4フィットハイブリッドRS・6MTは台数が全然ありません。
購入までの時間は長くなることを想定して買おう!
車検前だから乗り換える!なんてことはGP4フィットハイブリッドRS・6MTに関しては出来ません。
私、ミズコは車探しに1年2ヶ月ほどかかりました。
住んでいる県では見つからず、電話して在庫確認した上で、近県まで見に行き、即決で購入しました。
47都道府県と考えると、日本全国で21台(2022年4月でのグーネット内での台数)という台数は、めちゃくちゃハードルが高いです。
それでも楽しいぞ!GP4フィットハイブリッドRS・6MT
以上のように、フィットの実用性に+「おもちゃ」としての性能を兼ね備えた素晴らしい車が、フィットハイブリッドRS・6MTです。
ハードルは購入のハードルがめちゃくちゃ高いだけで、購入後は維持費も安く、税金も1500CCクラスと比較的安い部類です。
デビューから10年経過し、比較的台数が少ないことから、価格は下がりにくいクルマです。
むしろ、更に年数が経過するとプレミアムが付いて値段が上がるかも!?(未確定)
昔、シビックEG6・SIRⅡ(購入時30万円)に乗っていたことがありますが、追突で失いましたが、今買おうと思うと100万円以上はしちゃいますからね。
台数が少なく引き合いが多いクルマはまだギリギリ買える今のうちに乗っときましょう!
以上、フィットハイブリッドRS・6MTオーナーによる、愛車のおすすめ記事でした!