【ポンピングロス】ふんわりアクセルは本当に燃費に良いのか?【整備士が解説】

チューニングショップ・ディーラー勤務経験のある自動車整備士のミズコが
一般的に言われている・ふんわりアクセルは燃費がよくなる
・ゆっくり加速すると燃費がよくなるこれらを解説していきたいと思います結論は、「ポンピングロスが大きくなるから余りにもアクセル踏まないのは燃費に悪影響です

まずエンジンの基本的な仕組みを知ろう

4ストロークエンジン(一般的なエンジン)の簡単な仕組み

エンジンではピストンの往復運動をクランクシャフトの回転運動に変えて、動いています。

このようにピストンが2往復(4サイクル)で1回の燃焼サイクルが終わります。

  1. 吸気バルブが開き、排気バルブが閉じた状態でピストンが下がり、混合気を吸入する
  2. 吸気バルブ・排気バルブともに閉じてピストンが上がり混合気を圧縮します
  3. 吸気バルブ・排気バルブともに閉じた状態でガソリンに爆発を起こしてピストンが下がります。
  4. 吸気バルブが閉じた状態で、排気バルブが開きピストンが上昇して燃焼ガスを排気ガスとして排出します。

このような順番でエンジンはガソリンを燃やして回転エネルギーを得ています。

吸入工程でエンジンは混合気を吸い込みます

簡単な仕組みがわかったところで、どのようにピストンが混合気を吸い込むかですが、これは負圧という原理を使っています。

注射器で水を吸い込んだり押し出したりするのと同じ原理です。

ピストンが下がった時に、中の空間が広くなって空気を吸い込みます。

注射器では液体ですが、エンジンでは気体を吸い込みます。

たくさんの混合気を吸い込めばたくさんの混合気を1回で燃やせるので、パワーが出るのです。

ピストンが下がる時に発生する負圧をポンピングロスと言います

吸気工程で、吸気バルブのみ開いて、排気バルブが閉じた状態でピストンが下がると、空気を吸い込みます。

ピストンが下がる時に負圧が発生します。

負圧とは、大気圧よりも真空に近い状態になることをいいます。

このピストンが負圧に引っ張られて下がる時に抵抗になることをポンピングロスと言います。

ポンピングロスはエンジンの内部抵抗のかなりを占めていてい、およそ30%がポンピングロスによるものです。

アクセル(スロットル)開度とエンジン回転数によってポンピングロスは激変します

アクセルを開くとスロットルバルブが動いて、空気の入れる量を調節します

みなさんが車に乗ってアクセルを踏んで加速を調整する時にエンジンではこのように、スロットルバルブが開閉して空気の流れを調整しています。

アクセルペダルとスロットルバルブがワイヤーで繋がっているワイヤー式ワイヤーで繋がっておらず電子制御アクセルペダルと電子制御スロットルバルブで電気でやり取りをしている電子式の2タイプがあります。

フィットで言うとGD系はワイヤー式 GE系以降は電子式です。

クルーズコントロールなどは電子式な必要がありますね。
ペダルを踏んでいなくても、スロットルバルブで自動で制御させれば良いのです。

エンジン回転数が高い程ポンピングロスが大きくなります

エンジン回転数が高いほどポンピングロスが大きくなります。

これの代表例がエンジンブレーキです。

エンジン回転数が高い状態程エンジンブレーキは強くかかります。

やや乱暴な例えですが、掃除機は強モードの方が強く吸いますね。

エンジンも回転数が高くなるほど必要な空気が多くなる為ポンピングロスが大きくなります。

アクセル開度が小さい場合

アクセルを小さくしか開けない時はポンピングロスが大きくなります。

エンジンは空気を吸い込むが、通りにくいので強い負圧が発生します。

人間に例えるならば、スポーツしている時に口をガムテープで塞がれて鼻からだけ息をするようなものです。

そんな事をしたら、かなり息苦しいですよね?

アクセル開度が大きい場合

アクセルを大きく開けた時はポンピングロスが小さくなります。

エンジンは空気を吸い込もうとしますが、通りやすいので弱い負圧が発生します。

人間に例えるならば、マスクを外して息をするようなイメージです。

息が楽になりますね。

結局どのように運転するのが良いのか

加速時は目標の速度になるときのペダル開度まである程度開けよう

ゆーっくりアクセルを踏むよりも、そこそこ踏み込んだほうが、ポンピングロスが小さくなります。

但し、急加速までペダルを踏んでしまうと、混合機のガソリンの比率が濃くなって燃料を多く消費します。
(空燃比と言います)

MT車では、適切にギヤを上げていくことで、エンジン回転数とアクセルペダル開度を調整しましょう。

教習所で「40kmでは何速を使いましょう」のように習ったかも知れませんが間違いです。

適切な変速の選択は道路状況と環境により変わってきます



一定速巡航では、アクセルペダルを一定に踏み続けよう

加速が終わり巡航速度になったら、アクセルペダルは一定に踏み続けましょう。

当たり前と思うかも知れませんが、ペダルを踏み込んだり離したりして速度を調整する人はいっぱいいます

そのような癖がある人は、メータをしっかり見て、速度が減速していないか、前後に揺れていないか意識しましょう。

緩やかに減速したい時は変速を上げてアクセルOFF

緩やかに減速したい時は、ギヤを上げてアクセルOFFしましょう。

このギヤが入っていてアクセルOFF状態では、エンジンは燃料を消費しません

エンジン回転数が高かったとしても、燃料を使いません

エンジンはタイヤによって回されている状態ですので、エンジン回転数が高かったとしても燃料消費はゼロです。

減速時にギヤをニュートラルにして「エンジン回転数を上げないようにして燃料を節約」は間違いです。

むしろ、ニュートラル状態だと、アイドリングを保つために燃料を使うので逆効果です。

また、安全面でも走行中のニュートラル状態はクルマが不安定になりやすいのでオススメしません

強めの減速時はシフトダウン+アクセルOFF

強めの減速がほしい時は、シフトダウンしてエンジン回転数を上げてアクセルはOFFにします。

アクセルOFFだと回転数が高くても燃料は使わないけれど、ポンピングロスは大きくなります。

エンジン回転数が高くなればなるほど、エンジンブレーキが強く効くので強めの減速が出来ます。



全てを総じて!先読み運転で燃費向上!

これらを総合すると、先読み運転が出来ると燃費向上できます。

先の信号が赤なのに、アクセルを踏み込んで突撃してブレーキペダルを踏んで減速。

わりとよく見る光景ですが、これは燃費の意味でも品性の意味でも美しくありません。

先を読んで車間距離をしっかり取って、安全に走る。

これに尽きるかと思います。

ひたすらゆっくり加速しても、燃費は向上しませんので、交通の流れにのりましょう。

急加速すると燃費は落ちますが、通常加速は問題ありません。

ポンピングロスが増える要因・エアクリーナエレメントの記事はこちら

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