そのため、普通にジャッキアップしようとすると上げることが出来ません。事業用のエアージャッキ等のかなり高価なジャッキならギリギリ届くがDIYで持っている人は多くはありません。
そこで、こちらの記事では車載ジャッキ併用で4輪ジャッキアップする手順を紹介しています。フロント、リヤ、サイド4つの合計6箇所のジャッキアップポイントの位置も示しています。整備作業は、危険が伴います。
細心の注意を払って作業するようにしましょう。
4輪ジャッキアップの手順
大まかな流れ
タイヤの履き替え等であれば、1輪ずつジャッキアップは車載ジャッキで出来ます。
しかし、ブレーキ整備や足廻りのDIY等で4輪全て上げようと思うとハードルは若干高くなります。
ある程度の能力があるジャッキが必要になります。
おすすめのジャッキもまとめていますのでご参考下さい。
ジャッキアップの流れ
- 安定した地面に車を止めて、パーキング(サイド)ブレーキを強めにかける
- フロントをジャッキアップして、フロントにリジットラック(ウマ)をかける
- リヤをジャッキアップして、リヤにリジットラック(ウマ)をかける
このような流れになります。
フロントを先に上げる理由は、「パーキング(サイド)ブレーキはリヤタイヤのみを固定する」からです。
リヤを先に上げてしまうと、ブレーキをかけている部分が空中に浮いて車が動いてしまう可能性があります。
- パーキングブレーキについて詳しくはこちら
(長いですので興味ある方のみお開き下さい) - パーキングブレーキがリヤタイアのみの理由
パーキングブレーキ(駐車ブレーキ)は、車両を停止させた状態で、車が動かないようにするためのブレーキシステムです。一般的には、リアタイヤのみに作用する設計になっています。ここでは、その理由と機能について詳しく説明します。
- パーキングブレーキの仕組み: パーキングブレーキは、通常、リアタイヤのブレーキシステムに直接作用します。手動式の場合は、運転席のレバーやペダルを操作して、ケーブルを介してリアブレーキに力を伝えます。電子式の場合は、ボタンやスイッチを操作して、電子制御ユニット(ECU)がブレーキアクチュエータを制御し、リアブレーキに力をかけます。
- リアタイヤのみ固定する理由: パーキングブレーキがリアタイヤのみに作用する理由は、主に以下の3点です。
a) 車体の安定性:リアタイヤのみを固定することで、車体全体の安定性が向上します。これにより、駐車時や緊急停止時における車の安全性が確保されます。
b) ブレーキバランス:前後のブレーキバランスを維持するために、パーキングブレーキはリアタイヤにのみ作用します。前輪にも作用させると、ブレーキバランスが崩れ、走行中にブレーキが不安定になる可能性があります。
c) 経済性とメンテナンス:リアタイヤのみに作用させることで、システムがシンプルになり、コストやメンテナンスが容易になります。
- 4WD車両の場合: 4WD(四輪駆動)車両の場合、パーキングブレーキは通常、リアタイヤに作用しますが、一部の車両では、トランスファーケースに取り付けられたドラムブレーキを利用することで、全輪に作用する場合もあります。
パーキングブレーキは、車両の安全性と安定性を確保するために重要な機能です。運転中には使われませんが、駐車時や緊
急停止時に車両を安全に停止させるために重要な役割を果たします。パーキングブレーキがリアタイヤのみに作用する設計は、車体の安定性、ブレーキバランス、経済性、そしてメンテナンスの容易さの観点から選択されています。
適切なパーキングブレーキの使用方法を学び、定期的な点検とメンテナンスを行うことで、車両の安全性を維持し、長期間安心して運転することができます。また、急な坂道や滑りやすい路面など、特別な状況では、パーキングブレーキを使用する際に注意を払うことが重要です。例えば、急な坂道で駐車する場合は、タイヤにウェッジを挟むなど、追加の安全対策を講じることが望ましいです。
パーキングブレーキにワイヤーを使い、油圧が使われない理由
パーキングブレーキに油圧が使われない理由は、主に以下の3つです。
- 信頼性と安全性: パーキングブレーキは、車両を停止させた状態で移動しないようにするための重要な安全機能です。油圧式ブレーキシステムは、漏れや故障が発生する可能性があります。もし油圧システムに問題があった場合、車両が暴走する危険性があります。一方、機械式のパーキングブレーキ(ケーブル式など)は、シンプルで信頼性が高く、油圧システムのようなリスクが低いため、安全性が確保されます。
- 常時作動性: パーキングブレーキは、エンジンが停止した状態でも作動し続ける必要があります。油圧式ブレーキシステムは、エンジンが動作している間のみ圧力が維持されます。一方、機械式のパーキングブレーキは、エンジンの状態に関係なく、作動し続けることができます。これにより、車両の安定性が保たれます。
- コストとメンテナンス: 油圧式のパーキングブレーキシステムは、機械式に比べて複雑で、コストが高くなります。また、メンテナンスも難しく、専門的な知識が必要です。一方、機械式のパーキングブレーキは、シンプルでコストが低く、メンテナンスも比較的簡単です。
これらの理由から、パーキングブレーキには機械式のシステムが主に採用されており、油圧式が使われないのです。安全性、信頼性、コスト、メンテナンスの観点から、機械式のパーキングブレーキが最適とされています。
フィットの前上げは難しい!?
2代目フィット(GE系)及びフィットハイブリッド(GP1・GP4)の4輪ジャッキアップ手順を紹介します。
フィットの4輪ジャッキアップをは特にフロントのジャッキアップが難しい部類です。
フロントのジャッキアップポイントが車の先端より1m近く奥に入り込んでいるためです。
ジャッキを寄せた位置
純正車高で、ギリギリまでジャッキを寄せました。
ジャッキポイントまで寄らない
このように、ある程度しっかりしたジャッキを使ってもジャッキポイントまで届かないのです。
この写真の状態は純正車高です。
純正車高でもフロントのジャッキアップポイントまで届かないのです。
ローダウン車だとより届きにくくなっています。
前輪ジャッキアップ手順
車載ジャッキを取り出す
ハイブリッド車は写真と同じトランク右側の位置にあります。
ガソリン車は床下収納に収納されています。
※2代目フィットの場合。他車種は取り扱い説明書で確認して下さい。
右前か左前に車載ジャッキをセット
手で、フロント右(左)ジャッキアップポイントに当たるまでネジ部を回す。
当てる位置は、鉄板が補強されている範囲に当てます。
車載ジャッキの先端の凹み部分が出っ張り部分に当たるように当てます。
安定感がアップします。
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後輪ジャッキアップ手順
フロントが上がった後に行います。
リヤジャッキポイント
リヤは非常に簡単です。
ジャッキポイントはバンパー下の金属の出っ張りです。
ここを上げます。
リヤ左右ジャッキポイント
リヤタイヤの前辺りの下を見るとこの様になっています。
切り欠きの間の範囲がジャッキポイントです。
リヤの左右ジャッキポイントにリジットラック(ウマ)をセットして下ろします。
リヤはこれで終わりです。
4輪ジャッキアップからの下ろし方
上げるときと全て逆手順で下ろします。
車載ジャッキに乗せる時に、ジャッキが倒れない様に、ジャッキはゆっくり下ろします。
前上げ向け・おすすめジャッキ
フィットの前上げに必要な能力
左右一輪ずつであれば、どのようなジャッキでも上げることが出来ます。
しかし、前上げしてリジットラック(ウマ)をかけられるジャッキは限られます。
4輪ジャッキアップの場合は、ある程度以上の能力が必要です。
欲しいジャッキ能力
- 最高値 500mm以上
- 最低値 90mm以下
- 能力 2トン以上
このくらいの能力があれば、今までの手順での前上げが可能です。
おすすめジャッキ
前上げする場合のおすすめジャッキをまとめました。
左右のジャッキポイントで1輪だけ上げる場合はこんな良いジャッキはいりません。
4輪ジャッキアップの場合は、ある程度以上の能力が必要なので、ある程度能力があるものをピックアップしました。
Amazon | 能力 |
Amazonで右のジャッキを見る | 最高値 500mm 最低値 75mm 能力 3トン 重量 33kg |
Amazonで右のジャッキを見る | 最高値 530mm 最低値 98mm 能力 3.25トン 重量 44kg |
Amazonで右のジャッキを見る | 最高値 615mm 最低値 75mm 能力 2トン 重量 46.5kg |
特徴別・おすすめリジットラック(ウマ)
考慮する能力
想定する作業によって、これらを考慮する必要があります。
- 最高位
- 最低位
- 耐荷重(トン数)
耐荷重は自家用車であればほとんど気にする必要が無いです。
事業用車両などは、考慮が必要です。
また、高さ調整方法が
- ピンで調整
- ラチェットで調整
これらがあります。
ラチェットで調整するタイプは多段階調整ですが、構造がピンのタイプより複雑になるため、耐久性という意味ではピンタイプが高い傾向があります。
また、使わない時には邪魔になりますので、省スペース性能も考慮が必要です。
おすすめリジットラック(ウマ)
Amazonリンク | ミズコ的ポイント |
ピン固定ガッチリタイプ | 車屋が好んで使うタイプ。 リフトをずっと専有出来ない時に、長期間上げたままにしているのに向いている。 安定感が高く、ちょっとした地震でも問題ない。 丸棒で高さ調整をするので耐久性も高い。 保管にスペースは使いがちにはなるが、保管スペースを確保出来れば最も安定しているタイプ。 |
ラチェットで高さ調整しやすいタイプ | 車屋でも比較的使われるタイプ ラチェット構造で高さの調整が細かく多段階で調整出来る。長期間上げっぱなしには向かないが、DIY作業には非常に使い勝手が良い。 高さ調整を細かくしたい人はラチェットタイプが向いている。 |
折りたたみコンパクトでピンタイプ | DIY用途用、ピンで固定のお手軽価格タイプ ラチェットタイプは心配だけれど、省スペースでお手軽なものが欲しい人はこれ。 ピンで高さを調整するタイプは、4つのジャッキの高さ合わせがしやすく、信頼性も高いので、多段階が不要ならピンタイプがおすすめ。 |