・複利と単利の違い
・実生活でどう活用するか
・具体的にはどのような運用が複利になるのか
これらを解説していきます。
単利と複利の違いとは
複利とは?
利息に利息がつく仕組みです!
もらった利息が元本に合算される仕組みの事です。
例えば分かりやすく年利10%とします。
100万円を持っていたとします。
1年経つと、金利分10万円増えて110万円になります。
2年目は1年目で増えた合計額110万円に対して10%の金利がつきます。
2年目は11万円増えて121万円になります。
このように金利が元本に組み込まれて段々と大きくなっていくのが複利です。
ネット銀行で0.2%程度
複利で増えていきます
単利とは?
単利とは金利で増えた分に対しては金利がつかない仕組みです。
もともとの元本にだけ金利がつきます。
例えば分かりやすく年率10%とします。
100万円持っていたとします。
1年経つと、金利分10万円増えて110万円になります。
2年目は、元本100万円に対しての金利分10万円増えて120万円になります。
2年目で複利と1万円の差があります。
このように、最初の元本に対してだけ金利がつくのが単利です。
単利の場合増える金額は一定です。
対して複利の場合は増える金額は雪だるま式に増えていきます。
現実的な数字で計算してみましょう!
複利の何が凄いのか、数字で考えてみる
複利と単利の仕組みの解説では100万円を年利10%という数字を使いました。
しかし、年利10%は現実的ではありません。
妥当性がある年利5%で試算してみます。
比較的簡単に狙える、年利5%で計算してみましょう。
元本100万円の単利運用
元本100万円で年利が5%とします。
運用は単利です。
追加投資はせずに、放置したとします。
- 5年後に125万円
- 10年後に150万円
- 30年後に250万円
このように、毎年5万円ずつ増えていきます。
30年後に250万円になりました。
単利で30年5%で運用した場合の結果です。
もちろん投資には元本割れのリスクがあります。
元本100万円の複利運用
元本100万円で年利が5%です。
運用は複利とします。
追加投資はせずに、放置したものとします。
- 5年後に約127万円
- 10年後に約162万円
- 30年後に約432万円
このように、期間が長くなるほど増えていきます。
また、端数が生じるので約という記載になっています。
- 単利では30年後に250万円
- 複利では30年後に約432万円
複利で30年5%で運用した場合の結果です。
差額は182万円です。
倍率で見ると、元本100万円が30年で、、
- 単利では2.5倍
- 複利では約4.3倍
に増えました。
結構えげつないですよね?
複利効果の活用がしやすいためです!
複利を活かせる金融商品
普通貯金・定期貯金
普通貯金や定期貯金も金融商品です。
元本保証が特徴の超低リスク・超低利回りの商品です。
必要以上のお金を貯金するということは、超低利回りの商品を選んでいるという事です。
今は、ネット銀行でも0.2%程度です
物価上昇(インフレ)に負けているので、実質的には目減りしています。
分配金なしの投資信託
分配金とは
投資信託の元本や利益から投資家に一部を払い戻すお金の事です。
絶対に毎月分配型投資信託は買わないで下さい!
儲かっていても儲かっていなくてももらえます
さて、儲かっていない場合はどこからお金がでるのでしょう?
はい、あなたが支払ったお金です!
元本から戻ってくるだけです!
これをタコ足配当なんて呼んだりします!
タコがお腹が減った時に自分の足を食べてしまう習性からくる言葉です。
毎月分配型投資信託は絶対にお勧めしません!
しかも手数料が優良投資信託の10倍以上高いです!
分配金なしの投資信託の場合
分配金なしの場合、持っているだけではお金は貰えません。
投資信託の価値が上昇して、売却時に始めて利益が出ます。
優良な分配金なし投資信託のメリット
- 税金の先送りが出来る為に複利効果が最大となる
- 銘柄の入れ替えが自動で行われる
株式の配当金などは、投資信託の価値に組み込まれて価値が複利効果で増えていきます。
通常、株式の配当金や売却益には20.315%の税金がかかります。
分配金なしの投資信託の場合、売却しない限り税金がかかりません。
これは、20.315%の税金を、何年も先送り出来るという事です。
税金で引かれる約2割分、複利効果がアップします。
このため、資産の最大化という意味では最も適した選択肢になります。
分配金なし投資信託は普段の生活は全く良くなりません
複利効果を強く使えるので、老後資金や未来の出費に備えるのに向いています!
複利にすることが出来る金融商品
ETF
ETFとは、投資信託の一種です。
日本語では上場投資信託と呼びます。
ETFも分配金があります。
ETFの分配金は、元本から分配されることはありません。
元本部分が削られずに分配金がもらえます。
単利運用するか複利運用するか自由に選べます。
- もらった分配金を使って、再投資しなければ単利運用
- もらった分配金を再投資に使えば複利運用
このように、選択の自由がある点がメリットです。
ただし、分配金受け取り時に20.315%の税金が引かれます。
売買も投資信託よりもしやすく、分配金の用途もその時のあなたの状況によって使い分けられる点がメリットです。
株式投資
株式投資も複利運用と単利運用が選べます。
- 配当金を再投資すると複利運用
- 配当金を再投資しないと単利運用
このように選べます。
株式投資には2パターンの利益の狙い方があります。
- 値上がり益を狙う(キャピタルゲイン)
- 配当益を狙う(インカムゲイン)
株価分析をしたり、企業分析をしたり、比較的値動きが大きい銘柄で行う投資になります。
値上がりしたところで売却して「買ったときの値段と売ったときの値段」の差が利益になります。
こちらはハイリスクハイリターンな投資手法になります。
企業の健全性を分析して、比較的配当利回りが大きい銘柄で行う投資になります。
売却せずに持ち続けて、持っているだけでもらえる配当金が利益になります。
こちらは値上がり益を狙うのに比べれば、ローリスクローリターンな投資手法になります。
しかし持ち方によって、リスクはコントロール可能です
複利を狙うならインカムゲイン
複利は時間の経過を味方に付けて、資産を増やす仕組みです。
株式投資の主なリターン2種類のうち、複利が使えるのはインカムゲインです。
キャピタルゲインは「爆発的利益(爆益)」が出ることもありますが「壊滅的損益」がでることもあります
インカムゲインはコンスタントに「超地味に毎年利益」です
こんな目的ならこんな商品を選ぼう
「将来の資産の最大化」がしたい
- つみたてNISA口座に全世界株又は米国株インデックス投資信託
資産の増大効率は最大となります
インデックスファンドを始める前に知っておきたい事をまとめた記事はこちら
こちらの記事では、インデックス投資について・これから始める人に知っておいてもらいたい事・インデックス投資のこれが出来ないと損します の部分これらを解説していきたいと思います。インデックス投資とは?[…]
日々の家計を強化したい
- 高配当ETF
- 高配当株
余裕がある時期は再投資してもよし、出費が多い時期は使ってもよし
変化に対応しやすいのはこっちですね
まとめ
投資はバランス感覚です
複利効果と、複利の活用方法を解説しました。
しかし、全てはバランス感覚です。
私には私にあったバランスがあります。
同様にあなたにあったバランスがあります。
例えば
- つみたてNISA満額まではインデックス投資
- それを超えた部分を高配当ETFで日々の家計強化
- 更に、個別の高配当株や優待株をトッピング
このように、どれかだけをやるのでありません。
いろんな手法がある中で、自分が心地よいと思うバランスを見つける事が大切です。
あなたの
- 年齢
- 家族構成
- 資産状況
- その他
これらのあらゆる状況が人によって違います。
例えば万人にオススメしやすいインデックス投資ですが「今の年齢が70歳」とかなら絶対にオススメしません
インデックス投資は15年から20年の投資期間が取れないと、元本割れの可能性があります
「あなたにとって心地よい」を大切に
あなたにとって、「投資をしない」が心地よいならそれはそれで良いでしょう。
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こちらの記事に投資のデメリットをまとめています。
投資は誰でも出来ます。
- 証券口座の申込みをする
- しばらく待つ
- 証券口座が開設される
- 証券口座に入金する
- 投資商品を買う
- 投資家デビュー
これだけなので、誰でも出来ます。
しかし誰にでも向いているわけではありません。
私が知る限りこんなNG行動を取ってしまう人が身近に多数います。
- インデックスファンドなのに値下がりしたので損切り売却
- 預貯金の入金しすぎて手持ちが少なくなりすぎ、現金化するために値下がりした状態で売却
- 株価が気になりすぎて、仕事中も株価を見ちゃう
これらの2と3は私もやってしまったことがあります。
儲かっている時は強気になりがち
損している時は弱気になりがち
始めるにしても、少額から始めることをオススメします。
自分が想定しているリスクの範囲内でリスクを管理をしているからです
2008年から投資をしているので、経験値は14年です
受け止めきれるリスク以上のリスクはとらないようにしましょう!